実体験から伝えたい「親が亡くなった後に行うこと①」

※今回はタイトルが少し強めな内容になっていますが、何卒ご容赦ください。

タイトルにも記載の通り、昨年私の父親が亡くなりました。父はまだ62歳で、こんなに若くして亡くなるとは家族の誰もが予想していませんでした。
本来であれば、家族が亡くなった悲しみに時間を十分に費やしたいところですが、そんな暇を与えないほどに怒涛の勢いでやらなければならないことが迫ってきます。期日を過ぎると、役所から催促が来たり、ものによっては延滞金がかかったりと大変なことになりかねません。

私は30歳で実際に親の死という状況に直面し、ここ数ヶ月でたくさん頭を悩ませ多くの時間を費やしてきました。本当に多くのことを調べて、手続きを進める中で感じたことは、

  • 死亡後の手続きが体系だってまとめられている情報サイトがあれば、圧倒的に時間を削減できた。
  • 国が推奨する進め方があっても、実際の現場で起こる事は違うことも多々ある。実際の経験談が欲しかった。
  • 日本はIT後進国。これほどまでに対面での手続きが必要なのか。。。私の世代からすると時間の無駄があまりに多過ぎる。

その分たくさんのことを学ぶ事ができましたし、実経験を基に皆さんに共有できることが沢山あると感じています。
何より、私と同じ苦悩を持つ人を1人でも減らしたい思いで一杯です。

そこで今回から複数回に渡って、親が亡くなってから実際に行ったことについて注意点を含めて記事にまとめていこうと思います。
日本は超高齢化社会に突入しており、これからさらに高齢者が亡くなる件数は増えてくると予想します。私のように実際に事が起きて焦らなくても済むように、前もってどんな手続きが発生するのかを知り、事前に備えておける部分については準備をしっかりしておきましょう。そうすることで、親や祖父母が亡くなった時も焦らず心身にゆとりが持てます。

本当は煩雑な手続きに追われるなんてことはなく、家族が亡くなったことへの悲しみに十分な時間を使って浸りたい、そんな風に感じるのは私だけではないと思っています。

こちらのシリーズ記事が1人でも多くの方に役立つことを祈っております。

死亡を知ったら初めに行うこと

突然親が亡くなったらその衝撃と悲しみで何も考えられないのはごく自然のことです。頭の整理が追いつかない中でも、これから伝える手続きを初七日(亡くなってから7日目)までに進めていく必要があります。

  1. 死亡診断書の受け取り
  2. 死亡届・火葬許可申請書の提出
  3. 火葬許可証の受け取り
  4. 葬儀社へ連絡して葬儀の場所・日程確保
  5. 訃報の連絡(葬儀の日程と共に)
  6. 葬儀の実施(初七日と同日に行う繰り上げ法要のメリット・デメリットも解説)

1. 死亡診断書の受け取り

私の父親は持病が原因で倒れて病院へ緊急入院、そしてそのまま亡くなりました。病院へ入院していたため、死亡診断書は担当医師から直接受け取りました。受け取った死亡診断書を持って市区町村の役所(私の場合は市役所)へ向かいます。

2. 死亡届・火葬許可申請書の提出

死亡診断書を病院で受け取ったら「死亡届」に必要事項を記載して「火葬許可申請書」と共に市役所の窓口に提出します。※参考までに死亡届と火葬許可申請書がどんなものか下に画像を載せておきます。

【死亡届の提出期限】
死亡を知った日から7日以内。期限を過ぎると5万円の罰金
(死亡で悲しんでいる中でもお構いなしに期限が来るのが日本です)

【死亡届に記載が必要な事項】

  • 氏名、生年月日
  • 死亡日時、死亡場所
  • 住所、世帯主の氏名
  • 本籍、筆頭者の氏名
  • 職業
  • 届出人の住所と本籍、本籍の筆頭者の氏名、届出人の署名、生年月日

  ※最後に押印が必要

【提出時の持ち物】

  • 必須事項を記入した死亡届(死体検案書)
  • 届出人の印鑑(不要の場合もある)
  • 身分証明書

3. 火葬許可証の受け取り

「死亡届」と「火葬許可申請書」を役所に提出すると「火葬許可証」を受け取る事ができます。
日本の法律では「火葬許可証」がないと遺体を火葬することができません。こちらは葬儀当日に火葬場へ提出する必要があります。

私の家族は自分たちで手続きを進めましたが、葬儀社が「火葬許可証」の取得をサポートしてくれるケースもあるようなので、自分たちで業務分担できるほど人手を揃えられない場合など、葬儀の準備で書類手続きまで手が回らない方は検討してみるのも良いかと思います。

4. 葬儀社へ連絡して葬儀の場所・日程確保

葬儀社へ連絡をして葬儀の場所と日程を確保します。死亡が確認された時間帯にもよりますが、通夜は死亡の翌日、葬式は翌々日に行うのが通例だそうです。
しかしながら実際のところ、そんなにすぐに手配もできるわけがなく、葬儀会場のスケジュールの兼ね合いもあり、我が家では死亡の翌々日に通夜、その次の日に葬式を行いました。

正直、これより早く手続きを進められる気もしなかったので、死亡時間が午前中の早い時間帯であり、かつ、葬儀社の手配がある程度済んでいる場合でないと翌日に通夜は難しい気がしました。
ちなみに、通夜と葬式の期限は法的に取り決めがある訳ではありませんので、状況を見て無理のない範囲で予定してください。
とは言っても、火葬までの期間が長いと遺体の状態にも影響が出るかもしれませんので、可能な限り早いタイミングで実施されることをお勧めします。

5. 訃報の連絡(葬儀の日程と共に)

葬儀の日程が固まったら、故人と関係性のある方(親戚、友人、職場等)へ訃報の連絡をして、同時に葬儀の日程を伝えましょう。
連絡手段は電話が素早く確実です。故人と縁が深かった方には葬儀日程が決まる前に訃報の連絡を入れて、葬儀日程が固まり次第、再度連絡をするのも良いかもしれません。

ここで私が実際に感じたことを共有します。特にお年寄りの方で多いのが、対面で話し始めると非常に長い時間を使われます。突然の訃報に驚き、悲しまれたりすることはごく自然のことです。何より私たち家族はそれ以上に悲しんでいます。もし、残された家族のことを思うのであれば、葬儀が終わるまではそっとしておいてあげましょう。
家族は悲しみのどん底で感情制御も難しい中、慣れない手続きを超多忙スケジュールでこなしています。
葬儀、初七日、49日と親戚が集まる場は正式に設けられるため、そこで故人との思い出を振り返り、悲しみに浸りましょう。
どうしても、家族を訪れて話がしたい場合は、少なくとも1ヶ月程度は時間を空けてからにすることをおすすめします。できれば49日法要の後が好ましいと思われます。

また我が家では、親戚や職場への連絡は自分達で対応できましたが、父親の交友関係をあまり把握できていなかったこともあり、近くに住んでいる父の古くからの友人に状況を伝え、友人ネットワークへ訃報の知らせと葬儀日程の連絡をしていただきました。
これは非常に助かりましたし、通夜や葬儀当日に父の友人の方も参加することができ、父親も嬉しく感じていたことと思います。
もし家族の交友関係などあまり知らない方は、故人と親しい友人について1人でも分かればその人を頼るのが確実かもしれません。

6. 葬儀の実施(初七日と同日に行う繰り上げ法要のメリット・デメリットも解説)

葬儀(通夜、葬式、告別式)の当日の流れについては、葬儀社との事前打ち合わせがあるので、そちらでしっかりと確認するようにしましょう。喪主の方は、当日の挨拶についても考えておきましょう。
当日、受付などの役割を親戚にお願いする場合は、事前に連絡をしておきましょう。

また、我が家では初七日を葬式と同日に行う繰上げ法要を採用しました。亡くなってから初七日までの時間があまりに短いため、葬儀と初七日法要を別々に執り行うことの大変さを考慮し、昨今ではかなり一般的になっているようです。(ただし、地域によってばらつきはあるようです)

繰上げ法要のメリットは手配する側の負担軽減にありますが、それだけでなく同日に行うことでより多くの参加者が参加できる可能性が高まります。逆にデメリットとしては、1日の儀式の時間が長くなるため、参加者によってはかえって都合がつかなくなってしまう可能性もあります。

また、葬儀の費用については、一般的に喪主が負担し、香典は喪主が受け取るものとされています。ただし、法的に定めがある訳ではないため、それぞれの家庭の状況を考慮して決めるのが良いと考えます。

我が家では、通夜、葬式を終えた後、火葬場へ移動しました。この時、葬儀社に事前に渡した「火葬許可証」が必要になる訳です。火葬が終わった後、火葬許可証には「火葬執行済みの印」が押印され、これが「埋葬許可証」となります。埋葬許可証とは、墓地に納骨する際に必要となる書類です。

お骨はお墓に入れることになりますが、お墓の準備状況や地域によって、納骨のタイミングは異なるようです。
我が家では、四十九日法要と同日に納骨式を行いました。そのため、四十九日までは自宅でお骨の保管を行いました。

次回、家族の公的手続きに続く(第2回記事へ

今回は、実際の私の経験談を元にして、家族が亡くなってから七日目までに行うことを中心に記述しました。

次回は、残された親や家族の公的手続きについて解説していきます。
日本では社会保障制度や税務申告など人生の中で本当に必要なことが義務教育から外れてしまっています。当然例外なく、我が家も私を除いてこの辺りの手続きについて知識が皆無だったため、私が手取り足取りサポートをしました。
その内容を分かりやすくまとめていきたいと思います。

それでは、次回記事でお会いしましょう!

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