第8回の記事に続いて、今回は家族が亡くなった際に残された親や家族の公的手続きについて解説していきます。
残された家族がいち早く新生活を迎えられるよう、私の実体験も踏まえながら手続き内容について分かりやすくまとめていきます。
前回記事では「金融機関で行うこと」について解説しました。
その他の手続き
金融機関での手続きが終わったら、残るその他の手続きに移ります。
故人の預金口座が凍結された後は、該当口座が引き落とし先に指定されていた場合、引き落としをすることができません。可能であれば、預金口座凍結を行う前に記帳を行い、クレジットカードや各種サービスの引き落とし先になっていないかを確認しておきましょう。
1. 引き続き利用するサービス(光熱費、固定電話、インターネット等)の引き落とし口座変更
電気、ガス、水道、電話、インターネットなど故人が亡くなった後も引き続き残された家族が使用するサービスがある場合で使用料金の引き落とし先が故人の銀行口座になっている場合には、残された家族の口座に引き落とし先を変更しましょう。
具体的には、各種サービス利用料についての請求書が届いている場合、そちらに連絡先が記載されていると思いますので、電話をして必要手続きについて確認しましょう。
私の家では、公共料金などは全て父親が支払いを行なっておりましたので、残された母親の口座へ切り替えを行いました。
2. 故人の携帯電話の解約
続いて、故人の携帯電話を解約していきます。意外な注意点ですが、故人と一緒にyahoo mailやgoogle mailなどサービスを共有していた場合、ワンタイムパスワードを故人携帯番号に送信するよう設定していると、解約後に携帯番号が使えなくなると、サービスにログインできなくなってしまうため、ご注意ください。我が家は、母が父親の携帯電話解約後にこれに気づき、ログインできるまでに余分な手続きが発生してしまいました。
3. 故人のクレジットカードの解約(死亡日までに未払金がある場合は明細取得) ←相続税申告に必要
故人のクレジットカードも同様に解約していきましょう。買い物利用などは当然故人の生前にしか発生しないと思いますが、amazon primeなどのサブスクは定期的に請求されるので、サービス停止を進めましょう。
故人が使用していたサービスを全て探し当てることは難しいかもしれませんので、ひとまずカードを解約しましょう。そうすれば、サービスプロバイダーがカード請求できず、連絡をとってくると思います。その際に、サービスプロバイダーに事情を説明して解約を進めましょう。
もちろん、直近のクレカ明細などが見つかれば、そこに載っているサービスを解約していくことができると思います。
また、クレジットカードの性質上、カードの利用は生前でも、料金引き落としは死亡後になることが多々あります。この場合、死亡日までに支払いがされていない未払金を残された家族が肩代わりした場合は、相続税申告の際に相続財産から差し引くことができます。(相続については本シリーズ記事後編に記載します)
尚、カード引き落としが死亡日後数日の場合は、あえて故人の銀行口座凍結をその後にしてしまうという手も考えられます。
4. 故人の免許証の返還
故人の運転免許証についても返納しましょう。残された家族に故人の免許証の返納義務はありませんが、本手続きを行わないと、免許証有効期限が満了していない場合、更新連絡通知が来続けることになります。
尚、返納を行わなかった場合でも、次の更新手続きをしなければ自動的に免許証は失効になります。
返納場所は、最寄りの警察署か運転免許センターになります。故人の免許証を持参して直接訪問し「運転免許証返納届」に必要事項を記載して窓口に提出を行いましょう。
【持ち物】※訪問前に一度電話で確認することをお勧めします。
- 届出人の本人確認書類(マイナンバーカードや免許証など)
- 届出人の印鑑
- 故人の運転免許証
- 死亡診断書
- 戸籍謄本の写し(法定相続情報一覧図で代用可能な可能性あり)
5. 故人のパスポートの返還
故人がパスポートを所持していた場合は、都道府県のパスポートセンターへ返納手続きを行いましょう。
【持ち物】※訪問前に一度電話で確認することをお勧めします。
- 届出人の本人確認書類(マイナンバーカードや免許証など)
- 届出人の印鑑
- 故人のパスポート
- 死亡診断書
- 戸籍謄本の写し(法定相続情報一覧図で代用可能な可能性あり)
故人の所得税申告(準確定申告)と納税へ(第10回記事へ)
ここまでで死亡後の公的手続き含む諸手続きは終了です。
続いて「故人の所得税申告(準確定申告)と納税手続き」へ移りますが、本記事の長さを考慮し、次回記事に記載します。
少しでも本記事が皆さんに役立つことを祈っております。心に余裕が持てれば、故人を悲しむ時間を十分に取れます。迅速に手続きを行う事ができれば、次の生活への切り替えも早くなります。
また、出費という観点でも、極力自分で進めることで圧倒的に低く抑える事ができます。恐れず、勉強も兼ねて手続きにトライしてみましょう!
第10回記事へ続く。。。
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